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◆━━ 雪崩の危険は回避できるか!?━━━━━━━━━━━━━━━━
 
 今年の北海道は記録的な降雪となり、山はすでにハイシーズン
 真っ只中という状況です。 そこで冬山に入る上でどうしても
 頭から離れない雪崩に関してのお話をお送り致します。
 
 ですが私自信、雪崩に巻き込まれた経験は無く講習会や他の
 経験者から聞いた体験談、また普段の山行で感じている事の
 まとめと言った内容になりますことをご了承下さい。

 こればっかりは経験値を積極的に積もうと思ったら命がいくつ
 あっても足りませんので、経験者の体験を自分の知識として
 蓄積して日常の行動に反映させていくしかありません。

 それゆえ実感として自分の中で捕らえずらい難しさがあるのも
 事実で、思いは「どうしたら雪崩に遭わず、安全にパウダー
 を滑れるのか?」という一点に集中します。

 また「セルフレスキュー」「弱層テスト」から「救助要請」までの
 ?(疑問)についても考えてみたいと思います。

 BCに入るスノーボーダーは登山家になるわけでもないのに
 登山技術書を読み、雪崩研究者でもないのに
 そのメカニズムを学ぼうとします。 ビーコンを身に付け
 スノーショベルやゾンデを携行し、セルフレスキューの
 練習を重ねます。

 全ては、ほんの数分間の極上の瞬間を安全に切り取るために・・

 ゆえに「 雪崩の危険は回避できるか!?」 を一緒に考えてみましょう。

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 バックカントリーのすすめ Vol. 6 「 雪崩の危険は回避できるか!?」 
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INDEX------------------------------------------------------------◆

 □ 弱層テストでどの程度の危険を察知できるのか?

 □ セルフレスキューで確実に生還できるのか?

 □ 編集後記

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 □ 弱層テストでどの程度の危険を察知できるのか?
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 雪崩の危険を察知するための有効な方法として知られている「弱層テスト」
 雪崩に関する書籍や講習会でも必ず行われるこのテストですが
 これをマスターすると本当に雪崩に遭わずに済むのでしょうか?

 実際にやってみた方はわかると思いますが、多少練習した程度では
 テスト結果にまったく自信が持てないことに気が付きます。
 理解が出来て結果に自信が持てるには、かなりの経験が必要なのは
 いうまでもありませんが

 
 「弱層テストのみで100%雪崩発生を予知できるのか?」

 100%という意味ではNOと考えています。


 これは雪崩発生の要因を考えるとわかるのですが、多くの事故と
 関わりが深い「面発生表層雪崩」がどのようにして起こるのか
 積雪だけではなく、数日前からの風向き、風力、斜面の斜度、向き
 周りの地形、気温など他の要因も知る必要があります。


 例えば、数日間続いた吹雪と降雪が止み、無風快晴の朝
 迷わずスティープな斜面に滑り込みたくなりますが、
 

 前日までの吹雪の間、山では雪と雪がぶつかり合い、風に叩かれ
 小さく砕けた雪の結晶が風下の斜面に降り積もっています。
 このような雪は素早く固まり板状の層を形成してゆきます。


 降り始めの気温が高くミゾレが降り、雪面に水分を含んだ状態で
 その後気温が下がりザラメ雪が霜ザラメに変わったり、アラレが
 降ったりしていた場合、ここが弱層となり上の積雪の層との
 結合が弱く30cm以上の降雪があった場合はハンドテストを
 行うまでもなく非常に危険な状態といえます。


 雪崩発生には自然発生のものと人為的な誘発発生がありますが
 事故の殆どは人為的な要因が加わっています。
 上記のような斜面に登坂目的で入りこんだり、滑走したりして
 過重または衝撃が加わり弱層が崩れ雪崩が発生します。

 
 難しいのはテストをしても判断できない場合、これは安全とも
 危険ともいえず判断不能ということになります。

 
 またテストをする場所も重要です。
 実際に行動や滑走する場所、斜面の上部や中間部、下部によっても
 テストの結果に違いが出てきます。

 
 雪崩発生の予知は弱層の有無と強弱、地形と斜度、植生、気温、風力と風向、
 気象の変化と何項目にもおよび、これらを総合的に判断することが必要で
 専門的な研究者の領域になります。


 弱層テストの目的は、積雪内部の安定、不安定を計る目安ですが、実際の
 経験が少なければ、やってはみたものの危険の程度の区別が出来ないか
 不正確な判断ということになりがちです。

 
 雪崩の専門家ではない私達が現場で積雪の安定、不安定を判断するには
 さらに断面観察が有効かもしれません。
 これには雪質のことを学ばなくてはいけませんが、これらのテストも100%
 の予知とまではいかないまでも経験を積む事により有効で、価値のあるもの
 といえます。


 また二セコなどの日本海の気象に大きく影響される山域では常に降雪があり
 内陸の高山帯のような極端な低温になることが少なく、そのため弱層、特に
 霜ザラメ層は山頂付近の僅かな場所でしか確認が出来ません。


 雪崩には多くの種類があり私達が特に気を付けなくてはいけないのは
 「面発生乾雪表層雪崩」です。これは発生原因から2つに分けられ、
 その1つが上記で説明した弱層が破壊されることにより起こる雪崩です。


 もう1つは二セコなどで見られる吹雪などで壊された雪の結晶が
 風下斜面に吹き溜まり、斜面の均衡が破られることにより起きる
 雪崩です。こらは霜ザラメなどの弱層は見られないにも関わらず
 発生します。


 北欧のスキーリゾートではアバランチコントロールなどで
 この危険な層は落としてしまうことが常識化しているので
 事故に至ることは少なく、同じ面発生でも判断の難しい弱層が
 原因となる面発生の雪崩に関する研究が進み、それが日本の
 現在の雪崩研究の主流になっているのが現状です。


 例に二セコ各スキー場エリアの雪崩事故の統計を見るとアンヌプリ南
 面には、二セコアンヌプリスキー場、東山スキー場、ラポンテなどがあり
 東面にヒラフスキー場が展開しています。


 このうち南面の斜面に面しているエリアに過去の雪崩事故が集中
 しているのがわかります。
 これは冬型の気圧配置の中では南斜面には風雪を遮る壁となって
 くれる山がなく尾根やその南東斜面に風成雪に覆われた斜面が
 出来やすくなります。これは東面に比べて雪庇の発達の度合いを見ても
 明らかです。


 吹雪の最中やその直後にこの斜面に入り込むことにより雪崩事故に
 遭う確立は非常に高くなります。


 一方東面にあるヒラフスキー場周辺では風雪時に降雪は多いものの
 風は比較的弱いことが多く、他の3スキー場に比べ雪庇や風成雪の
 発達は少ないのが特徴です。
 このため藤沢の沢や、春の滝を除き真冬の雪崩事故の発生率が低い
 ことがわかります。


 現在二セコでは独自の雪崩警報が出されるシステムが確立され
 以来、スキーヤー、スノーボーダーによる雪崩事故は起きていません。


 このように日本海気候の影響を受ける山域での雪崩事故の原因は風雪
 にあり、弱層は関与していないことも多数あります。
 結論として弱層テストだけでは実施者の経験により危険度の判断にかなりの
 誤差が生じる可能性があり、雪の安定度は計れるが、
 雪崩を確実に予知するのは難しいといえます。





 □ セルフレスキューで確実に生還できるのか?
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 雪崩から仲間や自らの命を守る道具としてアバランチビーコン
 スノーショベル、ゾンデがありますが
 これらをメンバー全員が携行していたとして100%命を守ることが
 出来るのでしょうか。


 ここにカナダでの雪崩遭難者のデータがありますが、ビーコンを携行して
 助かった人は32%、携行せずに助かった人は13%。
 ビーコンを携行していて助かった人のパーセントは僅か19%高くなっただけで
 68%の人はビーコンを携行していたにも関わらず亡くなっているという
 ショッキングなものがあります。


 これは地域的な問題(雪崩の規模)もあり、簡単には日本の事情とは
 比較できませんが、装備を持っていても無いよりはまし位のショッキングな
 データです。(安全率が高くなるのは間違いありません。)


 日本のデータでは15分以内に掘り出された雪崩遭難者は100%に近い
 確立で生還しています。


 ですが仮に3mの深さに仲間が埋没した状況を考えた場合はどうでしょう。
 深くなればなるほど穴から掻き出す雪も多くなり、階段状に穴を掘り下げ
 最終的な穴の入り口は4m〜5mもの直径になるでしょう。


 この穴を3人〜4人で交代で掘り進めた場合は何十分かかるのでしょう?
 1人では? 埋没者が複数の場合は?

 
 深く埋没した場合はビーコンの反応も弱く、ピンポイントの特定は難しくなり
 掘りながらもビーコンやゾンデで当たりをつけながらの作業が続きます。
 想像以上の重労働で精神的な負担も、かなりのものと想像ができます。


 運良く仲間を掘り出したとしても、それで命を救ったことにはならないかも
 しれません。

 
 骨折していた場合はどうする?  救急医療品を携行しているか?
 
 救急法の知識はあるのか?    低体温症の症状は?

 仲間を担いで移動する体力はあるか?  ビバークの装備は?

 
 このような最悪のことを考えていくと際限が無くなりますが、けっして
 起こりえないことではありません。
 ありとあらゆる最悪の事態を想定して、どう対応できるかということも
 セルフレスキューの一環ではないかと私は考えています。


 また事故が起きてから、いつも滑っているが雪崩など目撃したこともないし
 形跡もみたこともない、という人がいますが後の調査で積雪の下から
 デブリが出てきたり、他の人は雪崩を目撃していたりという事例があります。
 シーズン中その山に何日通っているのか?

 
 自分が見ていない日の方がはるかに多いはずです。
 なんでもない場所では事故など起こるはずもなく、潜んでいる危険を
 感じ取ることが出来なかったということになります。


 結論として多くの経験を積んで、優れた装備を身に付けていても
 人は雪崩の力に打ち勝つことは出来ません。
 私達に出来ることは出来るだけ安全率を高める努力を
 怠ってはいけないということではないでしょうか。
 
 

 
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 □ 編集後記
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今回は雪崩の危険性、発生のメカニズム、セルフレスキューの有効性
について簡単ではありますが、かいつまんで考えてみました。

冬山に限らず自然の中での行動に100%の危険回避は難しいのかも知れません。
しかしこれが命に関わることとなるとやはり真剣に考えなくてはいけません。

雪崩に関しては現在講習会が日本全国で開催されています。
講習会に参加することで弱層テストやセルフレスキューの方法、雪崩の
危険性について学ぶことが出来ます。

しかし、それが直ぐ自分達が出かけるBCにおいて雪崩回避に役立つか
というと実際はそうは甘くないのが現状です。

講習会は自分が学ぶきっかけ作りに過ぎず多くの経験も必要になりますし
難解なテキストを熟読し理解も必要になります。
とても1年や2年で身に付く技術とはかけ離れているような気がしています。

ある専門家は当たる確立は高くて60%というのを聞いたことがありますが
専門家でさえ40%は外れると考えると、ある意味無力感を感じることも
ありますが自分達が今出来うる範囲での最大限の危険回避をしてゆくこと
が最善策なのかもしれません。


ここまで書いておいて・・


それでも私はパウダーの斜面を目指してしまいます。
何がなんでもあの脳味噌が融ける快感を味わいたい。
まったくもって困ったものです。

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編集   ナリタ 連絡先      hn319@f2.dion.ne.jp
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バックナンバー

1 バックカントリーのすすめ

2 道具をそろえる

 ワンデイツアーに行こう

 雪崩の危険回避はできるか

 冬山のビバーグ

 雪山のルートミス

 山で起こった不思議な話し

 自己責任という免罪符

 とても怖い風成雪

10 山岳保険について


11 スノーシューを考える

12 ウェアに求められること






















































































































































































































































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