the wetland 枯れ行く幻の高層湿原 |
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多くの自然が原始のまま色濃く残る北海道ですか、開発という名のもとに失われつつある自然も少なくありません。その一つに湿 原があります。 湿原とは、水を多く含んだ巨大なスポンジのようなもので、この機能が水質の浄化や流域河川の洪水防止に一役 かっていることは最近多くの人々に知られるところとなりました。 その一方で地域の気温にも多く関与していて湿原に熱が取り込まれると、長い時間をかけて放熱され湿原内の池、沼が冬でもな かなか凍らないのは泥炭の保温性、断熱性を物語っています。訪れる水鳥達も、こうした湿原の恩恵にささえられて越冬するので す。急激な乾燥化も進む中、知られざる湿原がまだまだ北海道には存在します。「湿原王国」と呼ばれるこの大地の自然を、もう一 度みなおしてみませんか。 釧路湿原とサロベツ原野、そして石狩低地帯といえば、北海道の3大湿原でした。 このうち石狩低地帯は、今ではほとんど原型を とどめていません。 石狩、上川を中心に進められた北海道中部の開発事業は、明治から昭和にかけて大規模に行われ、現在で はわずかに美唄、月形、南幌新篠津の一部にかつての面影を残す小さな湿地をかろうじて見ることができます。 湿原の消滅は、道南にも多くみられ、現在6ヘクタールにもみたない静狩湿原は、 かつて800へクタールにもおよぶ広大な高層湿 原でした。 その干拓事業は古くから土地の人々の夢でもあり 色々な計画があったようです。 当時、静狩湿原には大正13年に 天然記念物に指定された泥炭地形成植物群落なるものがありました。 しかし昭和25年、この湿原の大規模な干拓計画が持ちあ がり、あっけなく指定は取り消されてしまいました。 昭和25年、静狩原野開拓建設工事により、大掛かりな排水工事が行われ、 一気に静狩湿原は乾燥、消滅の道を辿り始めまし た。無数にあった沼は姿を消し同27年の冬には、越冬できなかった鯉やウナギの凍死体が無数に見られたそうです。 現在は草 地、農用地から取り残された民有地に、かろうじて湿原が存在しているといった状況で、その6ヘクタールの土地は別荘地として道 外に住む数百人が所有しています。 長万部町史によれば、この群生の天然記念物指定から解除に至る公文書は、一切残されていないことになっています。しかし今も っとも深刻な問題は、 盗掘とゴミの投棄で、保護区になっているわけではないので取り締まる方法もありません。この知られざる湿 原の問題は、そのまま身近な自然保護の難しさを考えさせられるのと同時に、今自分達に何が出来るのかを、 問われているような 気がします。 |
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