サーフィン初心者講座 クローズアウト寸前での教訓      パタゴニア



長年サーフィンを続けている中上級者は誰しもこれに近い経験を持っています。海では時として
とても怖い思いをします。そんな僕の体験のひとつ 「クローズアウト寸前の海での教訓」です。

動画は本文とは関係ありませんが、2013にポルトガルのナザレというところで撮影された波です。


クローズアウト寸前での教訓

これはメルマガでもお送りさせていただいた内容ですがここでは多少加筆して
何が悪かったのか、またこのような状況になった時の対処方などもお話しさせて
いただきます。出来ればこんな経験ははしないのが一番なのですが・・


波乗りを始めて2年目は一番技術的にも延びる時期で、ある程度の
サイズの波も経験し多少自信もついてくる時期です。
そんな時に経験したクローズアウト寸前のコンディションでの恐怖の体験です。
あれから30年近く経ちますが未だに忘れられないことの1つです。


当時僕は仕事の前に波乗りをするという生活2年目に入っていました。
仕事を終え真っ直ぐに帰宅。食事を済ませすぐに就寝。
夜中に起きて海へ行き7時位まで波乗りしたあと帰宅。
シャワーを浴びて会社へ・・という生活です。


2年目にしてはある程度乗れるようになり多少の自信?いや過信も
あったのかもしれません。
そんな自信を粉々に砕く出来事のお話しです。


それは西高東低の強まったある秋の朝でした。
その日は日本海のとあるリーフのポイントにあたりをつけ早朝に到着。
ここは今でこそメジャーポイントになっていますが、当時は知る人も
少なく、静かに波乗りを楽しめるグーフィーのポイントでした。


多少明るくなったポイントはサイズもあり海全体が動いている感じで
多少の不安を感じたのを覚えています。感覚的にはクローズアウト寸前・・
多分、これが休日なら他のポイントに移動したサイズだったと思います。


ですが今日も平日の朝イチサーフで移動の時間はありません。
考えていると何名かのサーファーがチェックに来ては移動してゆきました。
そのうちの一名がここで入るというので一緒に着替えはじめました。


波のサイズは頭半位? まーこの位ならなんとか乗れるだろうと考え
僕が先にゲッティングを開始しました。
ここはポイントブレイクである程度のサイズまでは楽にゲッティングが可能
です。


しかしこの日は普段はブレイクしない場所でも特大のセットが押し寄せて
いました。なんとかセットをかわしながらピークからブレイクしてくる波を見たとき
そのサイズを認識しました。


頭半?とんでもない!このポイントで初めて見るサイズで、とても乗る自信は
ありません。
後ろを振り返り後からゲッティングしているはずの彼を確認。
彼はゲッティングに失敗したのか遠くなった浜に立っていました。


このコンディションでは漁船も出てはいないだろうし。
どうやってかえる?
とにかくアウトで入ってくるお化けのようなセットをかわしながら沖に向かい
ました。


安全圏まで出て一息「今日は会社を遅刻するかもしれない。」
人間は緊急時に変なことを考えるものです。


そうしているうちに沖からオレンジ色のブイがこちらに向かってくるのに
気がつきました。見ていると自分の脇をすりぬけ遠くなった浜の方へ・・


いや!ブイが流れているのではなく自分がアウトに流されているのです。
この波のサイズなのにブレイクポイントは、はるかインサイド。
岸はとんでもなく遠くに見え急に吐き気をもよおしました。


とにかくこの沖に向かっている流れから外れ岸に向かわなければいけません。
多分この場所からこの川のような流れに逆らって岸に向かうのは無理でしょう。


真横にパドルしながらあることを思い出しました。
ここからJR一駅分離れたところに小島があります。
その島影からなら何とか上がれるかもしれないと思いパドルを始めました。


時間にして1時間以上かけて何とかその小島の近くに着きましたが
小島というよりは巨大な岩という表現の方が適切かもしれません。
その島は思ったより岸に近く、波は島のアウトからブレイクしていました。


愕然とし急に疲労感も増したのを覚えています。
でも何とか岸に上がらなくては・・ 小さめのセットをつかまえて乗るか・・
しかしその時には体力、気力ともすっかり萎えていてそんな勇気を
絞り出すことは出来ません。


ならスタンディングしないで腹ばいのまま乗って岸に戻るか?
それなら何とか出来そうです。
アウトから入ってくるセットに全神経を集中してブレイクポイントに入って
ゆきます。
 

と、その時はるか水平線にいく筋ものセットが入ってくるのが見えました。
今までのセットよりデカイ!沖に逃げるか?
わなわなと振るえる手で必至に沖にパドル、1本目をクリア・・
その時2本目の向こうで3本目のリップがひらひらしているのが見えました。
2本目をクリアしても3本目に捕まる!


とてもドルフィン出来るとは思えないサイズです。
意を決して目の前の2本目にテイクオフすべく全力でパドル!
板が滑り出す瞬間に見た高さに恐怖を感じ、あろうことか板を引いて
しまいました。


次の瞬間、自分が何かの日陰に入ったのを感じました。
朝日を遮る3本目の波、、見たこともないサイズのリップが頭の上から落ちて
きます。


とっさに板に全身の力でしがみつきましたが、強大な力であえなく板は引き剥がさ
れ暴力的な力にもみくちゃにされます。
おそらく僕はその時水中で叫んでいたかもしれません。
息が続かなくなり周りは真っ暗です。
ここで息を吸っても水を飲むことは分かっていますが吸わないではいられません
でした。


ワラ人形のように、もみくちゃになりながら水を飲んでは水中でむせ返り、
また飲んではむせ返る。 お・・溺れる・・


限界に達したときに周りが明るくなり急に水面に顔が出ました。
力いっぱい新鮮な空気を吸おうとしますが、むせてうまく吸えません。


ラッキーなことにリーシュは切れていませんでした。
それに随分と岸に近づいたようです。


アウトでは次のセットがブレイクしているのが見えます。
押し寄せてくる分厚いスープに弾かれ板に腹ばいのまま岸に運ばれます。
助かった!


ガクガクと振るえる足で玉石の浜を上がり、その場にへたりこんで
傍目も気にせず海水を吐きました。
 

あとは海岸沿いの線路を一駅歩いて車のところまで戻るだけです。


この日以来、どんなサイズの波でも怖くてしかたがなくなりそれは約1月間
ほど続きました。
腰ほどの波でも怖くてテイクオフ出来ないんです。


あれから30年近く経ちますが、いまだに海に入るときには
入念なチェックをしているのは言うまでもありません。


多少の経験でなめてかかると、自然の中ではとんでもない目にあうことを
思い知らされた経験でした。


この時の経験で感じたのは海に入る前によく観察するということです。
ポイントに波があるのに他のサーファーが入っていないというのは何かの理由があります。
自分よりもベテランのサーファーが入らないというのは何かの危険があると
判断して間違いありません。


見た目よりもセットの波がはるかに大きく危険だとか強い流れが入っている。
また思いもよらない理由があるかもしれません。
そんな時は他のサーファーに訊いてみるのが一番です。


次にゲッティング中に危険を感じたらアウトに出てしまう前にスープ波に乗って
戻る選択肢もありました。
ここのポイントはポイントブレイクでアウトに向かってカレントが発生しています。
アウトに出てしまってではその強いカレントに逆らって戻るのは不可能です。


ここで初心者の方が犯しやすい間違いとして、入ってくる波は自分の実力をはるかに
越えていて乗ることが出来ない。でも一刻も早く岸に戻りたいという思いから
波のたっていないカレントから戻ろうとすることです。


川のような流れのカレントに逆らって戻るのは不可能で、ただ体力を消耗します。
消耗しきってさらに流されるという事態をまねきます。


こんな場合はかなりの勇気を必要としますが戻るためにはやはり波に乗るしか方法は
ありません。ただミスは許されないのでスタンディングはせずに腹ばいのまま
波に乗るのが有効です。


このような思いをしないためにも波の大きな日には入念なチェックをするのが一番です。
その日の最大セットを必ずチェックして安全を確認してから入りましょう。


この時はJR1駅分の距離をパドルする体力にも助けられました。
週に1度か2度でも効果がありますのでチューブトレーニング をやってみましょう。



それでは、あなたにとって明日もいい風がふき、良い波がたちますように。








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